怒涛のごとくにエントリーしまくろうと
思ったのにもしかして一日一エントリーしか
できないんだろうか…
別に書き足せばいいんだけど
他のブログサービスに慣れてしまっていたので
ちと違和感が…

ダイアナ・ウィン・ジョーンズ『バウンダーズ』

バウンダーズ―この世で最も邪悪なゲーム

バウンダーズ―この世で最も邪悪なゲーム

原題はThe Homeward Boudersで作中でずばり
「故郷をめざす者」と訳されている言葉。
主人公のジェイミーはふとした好奇心から
「あいつら」のゲーム中の姿をのぞき見て
ディスカード(捨て札)として自分のいるゲーム盤(故郷)
からの追放を受けてしまう。

この「あいつら」だがなんとなくミヒャエル・エンデ
時間泥棒に似ている。普通の人間には認識することができないのだ。

そこからジョーンズならではの並列世界をさまようはめに
なるわけだが、今回はそこが肝というわけでもなく
さらりとした描写。異世界モノを期待すると
ちょっと物足りないかもしれない。
ジェイミーがひとりでさまよっている間は
こう押し詰まった雰囲気でつらいけど
たどり着いた混乱と暴力の「最悪の世界」(ジェイミー談)で
ヘレンに会ってからはスピードが加速する。
最初顔がない少女と聞いてアダムスファミリーのアレを
想像したが、本当に顔がないのではなく
極端に前髪を下ろしているという設定。
異能者であるヘレンと後に合流する悪魔ハンターのヨリス、
その他もろもろwとともに「あいつら」を追い詰めていくのだが



以下ネタバレ



なんというかオチがハッピーエンドとは言いがたい
主人公が希望を失って初めて「あいつら」に対抗できるのだ。
んでもちろんその希望というのは「故郷」に帰れる!という希望であって、
それが失われた主人公は最後まるでクランプの漫画「レイアース
のヒカルのような立場を自ら望む。(どんな例えか)
要するに永遠に並列世界をさまよう立場になってしまう。
それが主人公自身の希望とはいえエライ切ない結末である。

それはそれとして他に気になったのは主人公以外のバウンターズ
の末路。みなさん自分のいた「故郷」にはやっぱり帰れないわけで
(近々でバウンターズになった人はともかく)
それを考えるとうーん、と唸ってしまう次第。

ジョーンズの作品は刊行されているものは全部読んでいるけれど
それと比べると凄くおもしろいとは言いがたい。
ただ結末のせつなさは一見の価値あり。

追記
↑のように小見出しを作ればよかったのか
なるほどなるほど