橋本治の窯変源氏物語を読む。
- 作者: 橋本治
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1995/11/18
- メディア: 文庫
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結構な年上の六条の御息所の娘を幼い自分の息子の今上帝に娶わせてみたところ
やっぱりどーにもしっくりいかなくて
やっちゃったー!大失敗の予感☆って思っている源氏にざまーみろと思いつつも
ほのかな想いを通わせていた朱雀院との仲を源氏の入内の企みによって
ぶったぎられた御息所の娘が可哀相でならん。
というか多分予想(普通の方の粗筋は大概知っているので予想というのはあれだけれど)
だとこのあたりから光の君が
散々バカにしていた「普通の」男のように権力欲にとりつかれーの老いを知りーの
色ボケと呼ばれまくりーの
紫の上に愛想つかされーの
ロクでもないことになってゆくのをねっとり緻密に書いてくれるんだろーな
という楽しみを感じつつ残りの巻も買わないとなとか。
その一個前の「蓬生」の章で
非コミュ非モテかつマグロで歌もろくに詠めないどーしよーもねーなせめて何か喋ってくれ!だった
末摘花たんが明石から帰ってきた源氏に
見事な?男女の機微を心得たやり取りを
返してくるまでの彼女の変化の描写と
それでやっと人並というリアルの哀しい可笑しみが漂うくだりは秀逸で
このあたりの原文読み返してみないとなあとか。
とりあえず雲隠(どうやら窯変版では原作では書かれていない源氏が死ぬところを
書いてあるみたい)までは読まねば!とか。とかとか。
でもこの情念系の筆で重苦しい薫と軽佻浮薄の蛍の宮の対比が読んでみたくもあり
そんな時間ないっつーの!みたいなツッコミが入ったりとかね!