煮詰まり放題煮詰まっている

しかも誤用の方の意味で、
だから現実からちょっとだけ逃避して
図書館でベルニーニの一生についての本を読んだりして
そんでもって、彼が若いときは滅茶苦茶な自信家で鼻持ちならないやつで
恋人の浮気相手(しかも弟)に暴力で応戦し
恋人には召使に薔薇の枝で傷つけさせる(自分でやらないあたり小心者)
すんごい激情家で情熱的でいわゆる芸術家タイプってやつなんだなあということを知り
年をとってからキリスト教神秘主義に傾倒して
その中であの「聖女テレサの法悦」を製作した、へえ、なるほどなあと
思いつつじっくりとその彫刻の写真を眺めていたあたりで
図書館の閉架貸し出し業務があと30分というアナウンスが入り
夢から覚めてあわてて卒論用の本を探し出したら
めぼしい資料が根こそぎ借りられており、自分以外にも似たようなテーマで
卒論を書こうとしている学生がいるのか、流行のテーマなのかもしれんなあ
とその学生の選から漏れたであろう数冊の本を携え
いつかローマでベルニーニの作った幾多の肖像像や聖女テレサ、アポロやダフネに
会えたらなと帰途についた。