なんでか良く分からんが日本推理作家協会賞
に輝いた『アラビアの夜の種族』から
ずっと追いかけている作家の新刊。

ボディ・アンド・ソウル

ボディ・アンド・ソウル

口語臭さがあふれる地の文のテンポが好きだ。
(アマゾンの書評でガキくさいセリフと言われていたけれど
自分はアラビア〜のエライ下品なジンニーヤの台詞も
充分許せる範囲。
ま※こち※ぽが平気で出てくるのも
アラビアンナイトが口承文学であるのを考えると
やりすぎぐらいでおもしろい)

今作では劇団員だったという古川日出男の過去話
(ホントかどうか分からないが…)が明かされて
今までこだわってきた口語的文体や肉体への感覚は
そこからかと納得。
ワンフレーズやタイトルだけから始まる
妄想炸裂シーンが面白い。というか半ば嫉妬。
個人的にクリスマス教に
激しく笑った。なんだそのハッピーハッピーな宗教は。
(でも不意に殺意が…)




以下ネタバレ




物語の大枠にトリックを仕込むのは今ではそんなに
珍しくない。
ただ自分は活字倶楽部の書評で、はじめからどんでん返しの
存在を知らされてしまっていた。
よってオチの予想がついてしまいちと残念。
以前に森博嗣のエッセイで『アクロイド殺し』をミステリと
思わずに読めたのは幸せだった、という文を読んだが
それに近いか。
それをさっぴいても作家エッセイとして面白いので別にいいんだけどさ