悩み事がベタであるかどうかと、その悩みが深刻であるか否かは全然関係ない。

たまに忘れてしまうがそれはなぜか。
多分悩みが陳腐であればあるほど、その解決策はこれまで何千年かけて人類が頭を捻って、それでも見い出されずに来たことだからだ。
だからその悩みが表面的に形を変えてやってきたときしか私達はハッと出来ない。心に響かない。
陳腐化されてすりへった悩みは、打ち明けて、共感を得るのに技術がいる悩みなのだ。
だからだ。しばしば私達が警戒するのは。
心が無くても技術は扱える。その点で詐欺師も小説家も変わらない。受ける心の揺さぶりは変わらないのだ。
一点違うのは、揺さぶる前に金をとるか、揺さぶったあとに金をとるかの違いだけ、とも言える。
時間来たのでつづく