女王の教室第四回感想

…悪魔教師阿久津先生クラスの分断を計るの巻…
です。あらすじと感想をとりあえず。
*『』はあくつせんせいが強調して喋っているところです。シビレます。

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月曜日の小テスト廃止。しかし予想通りその言葉は続きがありました。

「…代わりに『毎日』帰り際に小テストを行います。できるまで帰しません」

「これからは班を基準とします。

     罰 は 『連 帯 責 任』 で

そうです、今回のキーワードは連帯責任。ポイントは連帯責任を課しているのは先生であるにも拘わらず、その非難の矛先を上手に特定の生徒に逸らしてクラスの分断を計るところですね。

そうして班ごとでリーダーと言う名の告げ口係を決めそのグループが連帯責任の単位となることが決まりました。
図工の時間。主人公がクラスを和ませるためと、先生のいない隙にパフォーマンスを行うと当然のように彼女のいる六班のリーダーである馬場ちゃんが裏切りの報告。
しかし班の連帯責任なら馬場ちゃんよ、お前も罰を受けるのではと思ったら
普通に罰掃除の監視役でした。
余裕の無さから心配して声をかけてくるはみ出しっ子と優等生ともギクシャクしてしまいます。
家に帰れば主人公の心の拠り所である姉が喘息の発作で入院(すぐ戻りますが)
母親とも相談できずにますます孤軍奮闘の主人公。

そんななか事件が勃発します。しかも
サ イ フ 盗 難
おいおい小学生が学校にサイフ持って来ていいのか、でもまあ流石に給食費は引き落としの時代だもんな
というのはともかく盗まれた人が短絡的でした。
紛失→即「私のサイフが無い!盗まれた!」
なのです。アレ?勘違いという線は無いのですか。
加えて先生もクラスの全員もなぜか、クラス内で誰か盗んだヤツが!!
と疑って掛かります。おいおい。
見てれば分かりますが、その最中に罰掃除係の主人公集団が怪しいとされたのは、移動教室があったために、クラスルームに最後まで残っていた罰掃除組のあいつらがあやし〜い!という論旨からなのです。おいおい、ということはクラスがガラ空きだったときもあるんじゃん。
じゃあ ク ラ ス 外 の 人 間 も疑ってくれよ
このエピソード自体は犯罪を犯したヤツが悪いに決まっている、という昨今の加害者の人権偏重主義に反対するものだとしても、有罪無罪ってのは合理的に裁定されなければならないという基本は忘れてはいかんでしょう。阿久津先生は個別に「怪しいと『思う』人を書いてください」と紙を渡していましたがこれではとんだ魔女裁判です。

実際のところ犯人はツインテールの髪型をした、主人公のクラスメートの「友達」だったわけですがそれにしても……
ともあれ、それを偶然に知った主人公は彼女から盗んだサイフを預かって元に戻す役を請け負うことに…


やべえ…展開が、展開が丸分かりだよ!!


当然の危惧を覚えながら見続けるとやはり当然のように馬場ちゃんが
主人公がサイフをもって戻そうとしているところを目撃!

「先生に。せ、先生に言わなきゃ!」

と駆け出す馬場ちゃん。誰にも認められることの無かった彼女にとって
最早先生は唯一の拠り所なのでしょうか。
ネコまっしぐらならぬ先生まっしぐら。


それを追いかけた主人公が目にしたのは…

ドガシャーン(効果音)

↑        ↑
馬場ちゃん   悪魔教師


…そして連合赤軍のような総括が始まりました。
クラスメートの輪の中にひとり立たされ
ツインテール(エリカちゃん)も自らが盗んだという真実を明かさず押し黙ったまま…
そして悪魔教師は主人公に
連帯責任を「取らされた」クラスメートに対して
「『迷惑』をかけてごめんなさい、とおっしゃい」
と言い、彼女は頭を下げされられます。

そして罰掃除の放課後エリカちゃん
「あんたが余計なことするから悪いのよ!もう絶交だから」
と理不尽極まりない言い草で傷口に塩をぶっかけられた主人公は
家に帰って父の浮気疑惑のメールを発見した修羅場を見ることになります。
泣きっ面に蜂とはこのことです。

降りしきる雨の中を主人公は外に駆け出しました。
そうして、またこの場所かよ!の横断歩道で黒い傘を持つ悪魔教師にバッタリと会い
自分に従がえ、と脅されますが
「泣きませんから」
と未だ屈っする気のないことを旗幟鮮明に告げます。
しかし流石の主人公も入院先から帰ってきていた姉の励ましには勝てず
肩を借りて号泣するのでした。



このお姉ちゃんの励ましが今回で一番(というか唯一)心温まるシーンでした。ちょっと目頭が熱くなりました…



〈追記〉
未だに先生の意図が良くわかりません。
成績至上主義かつ生徒の従順さを第一義にしていることは
なんとなく分かるのですが。
今の教育に対するカウンターというだけでなしに
この先生独自の教育方針がある、という設定が理想なので今のままだと不満があります。
というかあくつせんせいが大好きなのです。
背中に鉄板入ってるかのような姿勢の良さはかなり心打たれます。
ビジュアルが超絶決まってるからこそ、その信条も
一本スジの通ったものだと嬉しいなあ。という信者の切念でした。

〈さらに追記〉
ああ、目が曇ってたのかな…
あくつせんせい大好きなのにも拘わらず
この書き方では片手落ちっぽいです。
犯人探しのときの騒乱と主人公の「泣きません」の後の
女教師の演技に言外の優しさが見られたとの感想
(こちら)を見て
批判よりになりすぎてたかなと反省。
読み込みが甘かったか。
それでもやはりもっとデティールを詰めてほしいというのはありますが…